チタキヨのヨ

妙齢女だらけ演劇ユニット「チタキヨ」の作・演出担当、米内山陽子のあれこれ

すっかりチタキヨのわたしです

チタキヨが今年も動き出しました。
そしてほぼ同時に上演されるMUにも一部脚本という形で関わらせていただいています。
息子の幼稚園のママさんとやるミュージカルコントの本も脱稿しまして、運動会で息子と踊るダンスの練習もしつつ、別のお仕事も着々と進行中です。
わあ!ありがたいなぁ!忙しいってありがたい!
って本気で思いながら血反吐はいてるよ!ゲロォ!

チタキヨのチラシ、アホで美しくて大変気に入っています。

詳細は★こちら★からどうぞ

 

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「ふりむかないで」無事幕が下りました。
作家として戦うことができたし、舞台手話通訳としても挑戦ができた、楽しい公演でした。
プロデューサーの井上さん、演出の広瀬くん、出演者とスタッフの皆さんに、なによりお客様に感謝。
本当にありがとうございました。


その公演のさなか、大伯母を見送った。
ごく私的なことではあるけれど、ここに書いておきたい。

大伯母は、父方の祖父の長兄の妻だ。
わたしは幼い頃、曾祖母と大伯母夫婦が住む家の離れに、祖父と両親と住んでいた。
母の故郷である広島で生まれて、十歳まで東京のその家で過ごした。
庭を共有していて、大伯父が野焼きをするのをよく見物したし、おかずのやりとりや、電話のやりとり(わたしの家にはしばらく電話はなかった)、何よりとても優しく、暖かく育ててもらった。
祖母のような存在だった。

わたしの両親は耳が聞こえない。
そして、その両親、つまり父方、母方の両祖父母も耳が聞こえない。
両親は子どもを作ることを反対されていたそうだ。
また、耳の聞こえない子が生まれたら……
そういう考えが普通の時代だったんだと思う。
母は誰にも黙ってわたしを身籠もった。
安定期に入ると母子手帳が送られてくる。
それで、わたしを妊娠していることが知れた。
それから出産までの半年近くを、どう過ごしていたのかはわからない。
諦めに近い感覚で、見守ってもらっていたのかもしれない。
やがてわたしは生まれた。
耳に聞こえる子どもとして。
驚きと喜びでわたしは東京の家に迎えられた。
陽子と名付けられた。
わたしはよく喋り、よく笑う子どもだった。
曾祖母は毎日のように離れに来てわたしをかまい、大伯父も大伯母も孫のように接してくれた。
母方の祖父母は広島だったし、父方の祖母はわたしが生まれる前に鬼籍に入り、祖父は病に伏せていたので、わたしにとって、身近に接する大人は両親と曾祖母、大伯父大伯母だった。

大伯母の家でおねしょをしたことがある。
もう十歳になろうかという時だった。
恥ずかしさと焦りで縮こまるわたしの布団を、誰にも何も言わずばれないように干してくれたのは大伯母だった。
敬老の日に大伯父と大伯母にプレゼントをしたら、涙ぐんでいた。
大伯母の作る卯の花の味。
大伯母は穏やかな人で、声を荒げることをしなかった。
悪いことをしたときは、穏やかに窘められた。
大伯母のわたしを呼ぶ声。
台所での大伯母の振るまい。
何気なく積み重なっていく日常に、大伯母はいた。
やがてわたしは十歳になり、広島に越した。
それから大伯母とは暮らしていない。
もっと会いに行けば良かった。
もっと優しくすれば良かった。

月並みな言い方だ。
だけど、本当に優しくしてもらった。
大好きだった。
本当に寂しい。

「ふりむかないで」(手話通訳公演追記あり)

えっ、前回記事去年の六月……?
ご無沙汰しています。米内山です。
思えば去年の夏からこっち、仕事の海で溺れそうになりながら必死に泳ぎ切り、
年開けて、ようやく落ち着いた、の、よね? わたし?
自分でも自分の状況をよく把握できていなくて泣きそうです。

あ、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

お知らせです。

エビス駅前バーでの久しぶりの完全新作です。
昨年の八月にもオリジナルやっとるんですが、あれは急遽共著だったしね……
あの時期の記憶、あんまないや……
いいんだそんなことは。

そう、完全新作です。
そして挑戦作です。

エビスをご覧になっているお客様におかれましては、
米内山脚本のエビス、マンネリ……飽きた……
みたいな思いもないこたないと思うのです。
「またこういうテイストね」みたいなやつ。
それを! 完全に! 払拭します!

キャストも豪華な方が揃い、
演出は何度タッグを組んだか数えるのもめんどくさい広瀬格さん。
わたしと広瀬さんがエビスで新作やるなら、もう次は大挑戦するしかない。
漲って書きました。

日程は後日発表になりますが、手話通訳も付きますよ!
※日程発表しました! 
10日(土)18:00の回が手話通訳つきます!

0距離での、今までなかった大人のエビス。
是非目撃してください。




エビス駅前バープロデュース
「ふりむかないで」

僕は妻を愛しています。
それは嘘じゃない。
一人の男が七人の女を旅する、ロードムービー

脚本:米内山陽子(トリコ劇場/チタキヨ)
演出:広瀬格(smokers/DART'S)

出演
金崎敬江(miel)
斉藤麻衣
田中千佳子(チタキヨ)
菊池美里
根本沙織

酒井香奈子

岸本卓也


@エビス駅前バー
恵比寿駅より徒歩3分


【タイムテーブル】

5月1日(木)21:00
5月2日(金)18:00/21:00
5月3日(土)12:00/15:30/18:00
5月4日(日)12:00/15:30/18:00
5月5日(月)!!休演日!!
5月6日(火・祝)12:00/15:30/18:00
5月7日(水)18:00/21:00
5月8日(木)19:00/21:00
5月9日(金)18:00/21:00
5月10日(土)12:00/15:30/18:00(手話通訳付き)
5月11日(日)12:00/15:30/18:00
5月12日(月)19:00/21:00
5月13日(火)19:00/21:00
5月14日(水)18:00/21:00

※受付・開場は開演の30分前です。



【チケット】
3,600円+1ドリンク

割引あります※併用不可
・夫婦割…男女二名様以上の予約でお一人様につき400円引き
・ふりむかない割…受付にて「前向きです」と言うだけでどなたでも400円引き 

【ご予約はこちらから】
http://ticket.corich.jp/apply/54540/yok/

「くすり・ゆび・きり」と「目で聴いた、あの夏」

お知らせが二つです。

ひとつめ。
七月、お馴染みエビス駅前バーで、新演出再演三本目のお芝居があります。
2011年、話題になり始めた離婚式を取り上げて、好評をいただいた作品を、
広瀬格の新演出で再演します。
出演者はオーディションで出会った八名の俳優たち。
誠実にがんばっております。
かなり改訂しましたので、初演をご覧になっている方でも楽しんでもらえると思います。
是非足をお運びください。

エビス駅前バープロデュースReboot 

「くすり・ゆび・きり」


脚本:米内山陽子(トリコ劇場) 
演出:広瀬格(DART’S/smokers) 

■劇場
エビス駅前バー
http://ebisubar.jp/

■出演
國枝大介/関洋甫/大沼優記(シアターキューブリック)/平田耕太郎/川島佳帆里/斉藤麻衣子/横尾宏美/加藤なぎさ

■タイムテーブル
7月5日(金)21:00
7月6日(土)13:00/16:30/19:00
7月7日(日)13:00/16:30/19:00
7月8日(月)19:00/21:00
7月9日(火)19:00/21:00
7月10日(水)【休演日】
7月11日(木)19:00/21:00
7月12日(金)21:00
7月13日(土)13:00/16:30/19:00
7月14日(日)13:00/16:30/19:00
7月15日(月・祝)13:00/16:30/19:00

■チケット
前売り/当日:2600円
※別途ワンドリンクご注文制

【夫婦割】夫婦、元夫婦、元カノ、元カレなど男女問わず、お付き合い問わずお二人以上の予約で100円引き!
【離婚式割】受付で「離婚式に参加します。」と言うだけで100円引き!
※併用不可

予約URL:
http://ticket.corich.jp/apply/45468/004



ふたつめ。
2011年、「R&J」で共演した大橋ひろえさんの団体に、台本を書き下ろしました。
耳の聞こえない女性被爆者の証言と、現代女性を行き来する、手話朗読劇です。
声もありますので、手話が分からないかたでもお楽しみいただけます。

サインアートプロジェクト・アジアン
「目で聴いた、あの夏

構成・脚本・脚色 米内山陽子(トリコ劇場/チタキヨ)
演出 大橋ひろえ

出演 金子真美 西田夏奈子 大橋ひろえ

8月6日(火)14:00/19:00 相鉄本多劇場
8月9日(金)19:00 座・高円寺

詳細・チケット
http://www.sapazn.jp/hn.html

エビス駅前バーReboot「したごころ、」

エビス駅前バーの再演新演出シリーズ第二弾です。
こりっち舞台芸術祭で最終選考まで残った作品を、
新演出で再演します。
是非是非!


エビス駅前バープロデュース
Reboot
『したごころ、』
脚本:米内山陽子(トリコ劇場)
演出:板垣雄亮(殿様ランチ)

エビスに集まったダメなオトナの恋バナ4種盛りをお届けします。

■場所:エビス駅前バー(恵比寿駅徒歩3分)

■出演
酒井俊介/伊丹孝利(宇宙食堂)/田中千佳子/若宮亮(エムキチビート)/中村貴子/川西佑佳(扉座)/平塚正信(殿様ランチ)/根本沙織

■タイムテーブル
5月
2日(木)20時
3日(金)13時/15時30分/18時
4日(土)13時/15時30分/18時
5日(日)13時/18時
6日(月・祝)13時/15時30分/18時
7日(火)21時
8日(水)【休演日】
9日(木)19時/21時
10日(金)19時/21時
11日(土)13時/15時30分/18時
12日(日)13時/18時/20時
13日(月)19時/21時
14日(火)19時/21時
15日(水)15時30分/19時/21時

受付・開場は開演の30分前からです。
演出の都合上、途中入場できません。お時間に余裕を持ってお越しください。

■チケット
自由席
前売り/当日 2600円
別途ワンドリンク御注文制

≪片想い応援割≫
受付にて「下心あります」と言うだけで100円引き。
≪カップル応援割≫
男女問わず、2名様以上のご予約で100円引き。
※割引合併不可

予約URL:
http://ticket.corich.jp/apply/44427/yon/(米内山扱い)

捨てる。のこと

さて、ギブ・ミー・ラインの次の週から始まる、お芝居です。

捨てる。
というタイトルの連作短編集。
つまりオムニバス。
この作品は、息子を出産後初めて書いた長編(短編集なんですが)です。
緩く、途切れながらつながるオムニバス。
妊娠、出産を経て、演劇から遠く離れなくてはならないのかもしれない、
と思っていたわたしを、引き留めてくれた作品でもあります。
現在の、わたしの代表作のひとつです。

ありがたいことに、この作品は
2009年、2010年、2011年と三回も上演され、
2011年には大阪の皆様へもお披露目することが出来ました。
この作品を大胆に改稿し、新演出でよたび、みなさまにお目にかかります。
新演出、とはいえ、演出を担当するのは
出産後初戯曲「アレルギー」で出会った広瀬格さんです。
この作品を初演から見続けてくれ、わたしとのタッグも六回目。
出演者も全回のエビス駅前バー「ライ・トゥ・ミー」から
腹話術師、岡見文克さん
大映ドラマ赤いシリーズ、外山弥生さん
お菓子の国の住人、片岡あづささん
YouTube師匠、山﨑雅志さん
液晶タブレット師匠、伊丹孝利さん
パリ女、田中千佳子さん
チャリ爆走族、竹内尚文さん
に加え
新型爆弾、佐々木富貴子さん
がこの作品を育てていきます。
※各俳優さんの紹介はわたしの勝手なイメージです。ご本人にはきっと当てはまりません

思い入れがありすぎて湿っぽい作品紹介になってしまいました。

血を巡る、捨てたくて捨てられなくて捨てたくない、人間のお話です。

初演からずっとこのキャッチコピーとともに作品があったので、
こちらにそれを紹介して、筆を置きたいと思います。

血は水よりも濃くはなく、
そこから逃げてゆくことも
悪くないと思う。

身軽になったわたしは
いつか捨てたものたちを
いつまでもいつまでも振り返る。

こんなん書いてるけどね、かなしくておかしい話です。
気軽に見ていただけますので、ぜひどうぞ。



エビス駅前バーreboot
「捨てる。」


作・米内山陽子(トリコ劇場)
演出・広瀬格(smokers/Dart's)

会場 エビス駅前バー
http://www.ebisubar.jp
JR及び地下鉄恵比寿駅から徒歩5分

◎日時と開演時間
3月
8日(金)21時
9日(土)13時/17時/20時
10日(日)13時/17時/19時
11日(月)19時/21時
12日(火)19時/21時
13日(水)休演日
14日(木)19時/21時
15日(金)19時/21時
16日(土)13時/17時/20時
17日(日)13時/17時/19時
※受付及び開場は上演の30分前です。
※上演時間は約70分を予定しております。

◎チケット
2,600円(前売り・当日共に)
【家族割】
2名様以上のご来場で全員100円引き(身分証不要。家族じゃなくても大丈夫です。)
Reboot割】
受付にて「復帰おめでとう」と言うと100円引き。
※割引は併用不可です。


◎予約フォーム
https://ticket.corich.jp/apply/42170/yon/


◎出演
岡見文克
伊丹孝利(宇宙食堂)
山崎雅志(ホチキス)
外山弥生
佐々木富貴子(東京ネジ)
田中千佳子
竹内尚文(少年社中)
片岡あづさ


どうか、みなさまにお目にかかれますように

ご挨拶とお知らせ

あけましておめでとうございます(今更!)
チタキヨが終わった後はぼんやりしたりお酒飲んだりテレビ見たり映画観たり台本書いたり台本書いたりしておりました。
いや年末年始の執筆が怒濤でしてね、ブログをね、まあね、うん。
お仕事をいただけるのは大変うれしいことです。
今年も緩まず精進して参りますので、どうぞごひいきに。

さて、年末年始から苦労した作品の結実をご覧いただきたいという、お知らせです。
しかも二本。
しかもどっちもおもしろいんです。
今記事では、一本目のお知らせを。

一本目は今回初めて組ませていただく演出家、ハセガワアユムさんとのお仕事です。
もともと、この企画のプロデューサーである森久氏は2007年に上演した「こ きゅう」の出演者で、
そのご縁で台本を書かせていただく事になりました。
ご縁はありながらも企画の旗揚げに台本を書かせていただくなんて僥倖、滅多にありません。
すごく嬉しい。
しかも演出がMUのハセガワアユムさんです。
ファンです。

すごく悩みました。
ご存じの方がたくさんおられるとは思いますが、
アユムさんは作家として非常に素敵な言葉をたくさん持っていらっしゃる方です。
エッジが立ってます。なんてったってオシャレだし。
そのアユムさんに、わたしはどういった台本を渡すのか。
プロットの時点で詰まりまくり、思い切り逆に振れてみようと思いました。
王道をハセガワアユムにぶつけるぞ、と。
ものすごい直球の、働く人間ドラマを書きました。

そこに、プロデューサーでもある森久氏、
元劇団員、妖怪、菊池美里
シャープな玉崎詩麻さん
きのこっぽい森口美香さん
ギズモに似てる加藤なぎささん
オフスイッチのない平田耕太郎さん
工業地帯の香りがする斎出隆宏さん
ツール・ド・フランス、斉藤マッチュさん
※玉崎さんからはほぼ一度しかお会いしてないので勝手な印象で書いています
以上の俳優さん達が大変素敵にして下さっています。

まだ一度しか稽古にいけていないのですが
アユムさんが炸裂してて、
俳優さんが暴走してました。
素敵です。

是非、ひなまつり周辺、劇場に遊びに来て下さい。


TANGRAM produce 01
「ギブ・ミー・ライン」


作・米内山陽子(トリコ劇場)
演出・ハセガワアユム(MU)

会場 シアターKASSAI

日時と開演時間
3/1(金) 14:00 19:30
3/2(土) 14:00 19:30
3/3(日) 14:00 
◯開場は開演時間の30分前です。
◯当日券の販売は開場の30分前になります。

◎TICKET
前売 2500円
当日 3000円
開場(当日券の販売)は開演時間の30分前です。

予約フォーム

http://ticket.corich.jp/apply/42062/011/

出演
加藤なぎさ
菊池美里
玉崎詩麻
森口美香(劇団ORIGINAL color)
斉藤マッチュ
齋出隆宏
平田耕太郎
森久憲生


【 introduction 】
シアターKASSAIで運営サポートをしている森久憲生。劇場だけでなく、いろいろな劇団へ「大道具」としても密かにサポートしている彼が、俳優活動の一環として立ち上げたプロデュースユニット。その広い顔を活かして呼ばれた、俳優たち、劇作:米内山陽子(トリコ劇場)、演出:ハセガワアユム(MU)、の新しい出会いは「有りそうで無かった組み合わせ」となっています。

ちなみにプロデューサーをやるために"交渉アナリスト2級"の資格を取得との噂?! それほどの気合いの入れようの「TANGRAM(タングラム)」は、シルエットパズルの名称です。まるでパズルのように集められた組み合わせたちに御期待ください。

【STORY】
権威ある小説の賞を行っている出版社、新稿社の中の、小さな小さなコミック部門が、新雑誌アンドレセンの準備をしている。

十代のオタク少女向け雑誌コミックビョルンを廃刊し、多くの連載を引き継ぐ形で、新創刊としてリニューアルする計画だが、売り上げの数字重視の営業、思い入れを漫画家に託す編集、そして漫画の知識ゼロの破天荒な新入社員が訪れて、各々の「仕事」が交錯して思いがけないぶつかり方をする・・・。

<漫画>がモチーフでありながら、あくまで「仕事」の視点で描かれる会話劇。



スタッフ
舞台監督 加藤唯
照明・榊原大
音響・中山ひとみ
宣伝美術・佐藤区役所
制作協力・西村なおこ

協力・はじり孝奈(おぶりが〜ど)、佐藤区役所、劇団東京都鈴木区、佐藤区役所、小野智美、
Karte

お問い合わせ先
tangram.express@gmail.com