チタキヨのヨ

妙齢女だらけ演劇ユニット「チタキヨ」の作・演出担当、米内山陽子のあれこれ

大伯母

月曜日、母が車を出してくれて、近隣に住む大伯母宅まで顔を見せに行く。

この大伯母は、父方の祖父の兄の妻で血のつながりなどはいっさいないのだが、0歳から10歳までを同じ敷地の家で過ごした、わたしにとっては祖母の一人である訳です。

80歳を越えて大伯母は小さく、小さくなっていて、心配になるけども、「ご飯はおいしいのよ」と言っていたので、わたしの子が大きくなるまでがんばってくれよと言った。大伯母はどうかしらと笑った。

大伯母がアメリカ生まれだってことを初めて知った。

その後、日本領時代の台湾で15年。戦争が始まる前に東京に来たそうだ。

台湾楽しかったわー、と無邪気に笑う大伯母。

そのあと、たくさん苦労した話も聞いた。

わたしらの世代は、苦しいこともいっぱいあったけど、その後いいこともいっぱいあったわよ、と言った。

苦労した人は、やさしいな。

妊娠を伝えても、子育て論や妊婦のあり方なんかは一切説かない。

ただただ心配して、笑っていてくれるのだな。

ああ、この人は家族だなと思って泣きそうになった。

出た腹を触ってもらった。

中の人に早く会わせたい。