チタキヨのヨ

妙齢女だらけ演劇ユニット「チタキヨ」の作・演出担当、米内山陽子のあれこれ

神席の力

ここ最近、どうしても自宅で執筆出来なくなっていて、自宅周辺の喫茶店で書いています。
電源があって、長居しても大丈夫っぽい空気があるところ、うるさすぎないところ。
一時期、コワーキングスペースなんかも検討して、ホームページなんかも見てみたんですけど、近所のそういうところは「ウェーイ」感がすごくて怖い。
結局今日も喫茶店の端っこでちくちく文字を連ねているわけです。

いくつかある行きつけの喫茶店のうち、1〜2席、どうあっても筆が進む席があります。
軒じゃないんです。席です。
この店の、この席でないと、というものが存在します。
わたしはそれを神席と呼び、非常に大切にしているのです。

先日、映画監督でありチタキヨのチラシを作ってくれている三ツ橋氏にこのことを話したら
「そこで筆が止まったときの恐怖感すごくない?」
みたいなことを言われて、ハッとしました。
確かにそうだ。
このジンクスが崩れたとき、わたしはいったいどこで書けばいいのや。わからん。怖い。

それからはいっそう神席を大切に扱うようになりました。
多少詰まったくらいでは神席には行きません。
いくつかの、優秀な席をまわり、本当にどうしようもなくなったときだけ、神席に行く。
結果書ける。やっぱ神席すげえ。
いよいよ神席への精神依存がすごくなってきました。
まじ、これで書けなかったらどうするんだ。

というわけで、わたしは今神席にいます。
息子を学童にやり、迫る〆切に怯えながら、神席で執筆しています。
神席よ永遠に。
ただいつか、わたしはここでも書けなくなる。

ああおそろしい。
それでも書くのだ。書かねばならんのだ。

こういう綱渡りが、じつはちょっと気持ちいい。