チタキヨのヨ

妙齢女だらけ演劇ユニット「チタキヨ」の作・演出担当、米内山陽子のあれこれ

神と突破口

自分の中になにか眠っていて、それを解き放てば今直面している問題が解決するような気がする状態のことを
「つぶれる直前のにきび」
と思うことにしています。
書けなくて書けなくて、でも何かの拍子に突破口が見つかって台詞があふれ出てくるような、
そんなものをいつも探している。

ただその突破口は周到な準備と考えの限りを尽くさないと、見つかってはくれません。
作品を作るとき「神が降りてくる」なんてなことがよく言われますが、
神だって、きっちり櫓を組まないと、降りてきてくれない。
土台がぐらぐらの階段を、神は降りてこようとは思わない。
だからわたしは必死に自分に鞭打って、地道な作業でもって櫓を組むわけです。
その櫓も、どんなにきっちり組んだって、ぐっとこなければ降りてきてはくれない。
あー、しんどいよう。

でも、やっぱり、ふと、
あふれ出す瞬間はあります。
その時は、頭の中でファンファーレが鳴り響き、天使はばんばんラッパを吹き鳴らし、鯛やヒラメは舞い踊り、躁状態なのに妙に冷静にキーボードを叩く。
アドレナリンがどばどば出る。
思いも寄らない台詞が出る。

この瞬間のために、仕事をしているんだなと思う。
そんなものをいつも探してる。