チタキヨのヨ

妙齢女だらけ演劇ユニット「チタキヨ」の作・演出担当、米内山陽子のあれこれ

春待ち

朝、夫を見送って、母のPCで日記を書く。

他に進めている短編を開くが一行も進まない。

いい天気だなぁ。

ちょこちょこ読み進めていた、山崎努の「俳優のノート」読了。

香川照之が解説にも書いているが、これは神棚に飾るべき大切な本だ。

ありとあらゆるヒントが詰まっている。

その後、「リア王」に手を出す。

もちろん松岡和子訳、と行きたいところだが、

実家にあるのは岩波の野島秀勝訳のみ。

ぱらぱらとめくる。

あまりにいい天気なので、リア王は第一幕を読み切らないうちに中断。

母と連れ立って、井草八幡から善福寺公園へ散歩。

あの辺りは、川が流れていて木が生い茂り、なんともせいせいする場所。

今更ながら八幡で安産祈願のお守りを買う。

ここのお守りは水晶がついたネックレス。

さっそく身につける。

境内には、近所の小学生が、遠足のついでかなにかであふれている。

鳥居をなんどもくぐる子。

二礼二拍手一礼を繰り返して、たまに二礼四拍手になってる子。

絵馬を隅々まで眺める子。

御手水で「手を洗っていいのかな?」と戸惑う子。

小学生は全体的にとりとめがなく、おもしろい。

ちなみに「御手水」。

これをわたしは「おちょうず」と読む。

井草八幡の御手水舎がわからなくて社務所の人に

「おちょうずどこですか?」と聞いたら

「?」という顔をされ、後に「あ、おてみずですね」と言われる。

おちょうずとおてみず。

どちらも間違いではないようだが、なんとなく流派などもありそうで、

住み分けがどうなっているかが気になる。

おちょうず派のひと、結構いると思う。

対しておてみず派はどのくらいなのか。気になる。ならんでもいいが。

そのまま足を伸ばして善福寺公園へ。

ここでもやはり小学生軍団に出くわす。

まがりなりにも旧体育の日であるから、世の中は運動会の準備などで忙しいものだと思っていたら、この時期は遠足のシーズンでもあるのだね。

ボートに立つ小学生。危ないぜ。

ひとりぼっちでレジャーシートを広げる小学生。気持ちわかるぜ。

美しい黒猫を見る。

近づいても怖がらないので、触らせてもらおうかと思ったが、

妊婦にはあまりよくないらしいので、やめておく。

母は撫でる。

わたしたちが、食い物をまるで持っていないと悟ると、猫は去る。

シンプルで美しい。

ジョナサンで昼食。

その後、スーパーマーケットへ。

具合が悪くなってきたので、帰宅。

帰り道、マナーの悪い自転車乗りに喧嘩をふっかけられ、

おもわず「うるせぇ」と怒鳴る。

妊婦が常に穏やかでいると思うなよ。

妊娠中の猫を見てみろ、あいつら常に気が立ってるぞ。

いらいらしたまま帰宅後、寝るでもなく横になる。

30分に1回のペースで痛みがくる。

その時、中の人がもんのすごい勢いで動くので

「どうした、今日出てくるのかい?」となにげに聞いてみると、キックで返される。

初めて返事があった!

今朝、焦らないと決めたばかりだが、

嬉しくなって骨盤まわしたり、胡座かいたりして待つ。

またすぐに逃げた。

やはり焦りは禁物か。

今日の夕食は豚汁。母と弟と三人で黙々と食す。

若干腹が張っている。

手足の末端が熱い。

夏によくかかる症状だ。代謝が良くない証拠だね。

DSのイラストロジックをいじりながらぼんやりすることにする。

さよなら20代。

もうすぐ30歳。