チタキヨのヨ

妙齢女だらけ演劇ユニット「チタキヨ」の作・演出担当、米内山陽子のあれこれ

昏睡

青年団山内健司さんが出演されている「昏睡」を観て来ました。
戯曲は、去年エイブルアートオンステージでご一緒した、宮崎のこふく劇場の永山智行さん。
エイブルアートの時も思ったけど、わたし、永山さんの書く本が大好きだ。
かわいくて、刺激的で、いじわるで、やさしくて、なんだか切ない。
昏睡は、7つの編からなるオムニバスで、ひと、というか、男女、というか、そういうもののはじまりから終りまでを描いた作品。と捉えた。
なんと人生とはバカで楽しくて悲しくて苦しくて優しくて、笑って泣いて抱きしめて、豊か。なんだろう。
まるで、ひとつの体験だった。
とても良かった。
1時間半があっという間だった。
感想はネタバレを含むので下の方に書きました。
今日までだよ!観た方がいいよ!
山内さんにご挨拶して帰る。
山内さんとお話しするのはいつも少し緊張します。好きすぎて。

今日からTorinGiの稽古が始まります。
わたしの仕事は、台本を少し直したりするくらいですが(直しが有るならね)、頑張ります。
また台本書きます。
最終章の前に、今までの短編をがーっとフラッシュバックするシーンは走馬灯だったんだろうなぁ。
美しくてなんだか泣きそうになった。
「接合」で男女が繋がったまま踊るのは、それまでがばかばかしかった分、美しくて切なかった。
「時刻」は内側が削られるような、辛さを味わった。預けて来た息子を、心の中で何度も抱きしめた。山内さんの演じた、虐待されていた少年は、客観性を持ち過ぎていて悲しかった。最後に、横たわる母の死体に「一緒に寝てもいい?」と尋ねるところが、本当に辛すぎた。
求め合い、肌に触れたい。そして、ふれあうと暖かくて気持ちいい。
そう思った。